2025.11.18

大津市企画調整課・長谷川祐介様ご講演 ― 「人口減少に備えた戦略的なまちづくり」 ―

 11月7日(金)、ビジネスコミュニケーション学科「地域づくり論」の授業で、大津市政策調整部企画調整課の長谷川祐介様をお迎えし、「人口減少に備えた戦略的なまちづくり ― 持続可能なまちを目指して」というテーマでご講演いただきました。長谷川様は、民間企業のものづくりの現場から大津市役所へ転職した経緯や、「身近な人を元気にする仕事がしたい」という思い、公務員としての業務に加え、「Otsu Living Lab」でのマルシェや、誰もが楽しめる「ゆるスポーツ」など、ライフワークとしての地域活動についても紹介されました。学生たちは、「仕事=与えられた業務」ではなく、「自分の思いを活かして地域に関わる生き方」に関心を高めていました。講演では、日本全体の人口減少と少子高齢化の進行、「消滅可能性都市」というショッキングなキーワード、そして人口減少が地域コミュニティ、医療・交通・教育などに及ぼす影響について、統計データを用いてわかりやすく解説していただきました。その一方で、大津市は京都・大阪からの転入により人口が「横ばい」を維持していること、京都の地価高騰と大津の住みやすさ・交通利便性・子育て環境の良さが、ベッドタウンとして選ばれている理由であることも示されました。

 後半では、大津市葛川地区を事例に、人口減少が進む中山間地域において、「小規模特認校」による少人数教育の魅力発信や、空き家を活用した古民家暮らしの提案、地域住民による温かい受け入れ体制づくりなどの取り組みが紹介されました。その結果、子育て世帯の移住が進み、地域行事の復活や住民同士の支え合いが生まれていることを、映像とともに伝えてくださいました。

 講演後の学生の感想では、

  「人口減少はニュースの話ではなく、自分の暮らしと直結する問題だと感じた」

  「滋賀・大津は『何もない』と思っていたが、自然や子育てのしやすさなどの強みがあると気づいた」 

  「自分の住むまちの良さをもっと知り、発信したい」  などの声が多く挙がりました。

 また、地域行事やボランティアへの参加、SNSでの情報発信など、「自分にできる一歩」を考える学生も少なくありませんでした。今回の授業は、「人口減少社会におけるまちづくり」を学ぶとともに、「自分の住むまちをどうしたいか」「そのために自分は何ができるか」を考えるきっかけとなりました。お忙しい中、熱意あふれるお話で多くの学びと気づきを与えてくださった長谷川祐介様に、心より御礼申し上げます。

 発信:デジタルライフビジネス学科