

みなさん、「ふなずし」ってご存知ですか。
聞いたことがある、食べたことがある、家で漬けている…さまざまでしょうね。では、みなさんが今普通に食べている「すし」とどう違うのでしょう?
どんな機能性成分や栄養成分があるの?
あのにおいは何?
これらについて、ここで少し学んでみたいと思います。
ふなずしは馴れずしの一種で、フナと飯(糊化でんぷん)と塩を主原料とし、自然発酵によって保存性と風味を付与したものです。奈良時代の資料が残っているほどその歴史は古く、もともとは長い間発酵させて作る「本馴れ」という魚の漬物のようなものでした。室町時代になると、飯の量が増え、発酵期間を短くして、魚といっしょに飯も食べる「生馴れ」と呼ばれるすしが登場します。
さらに江戸時代になると、発酵させずに飯に合わせ酢をして、酢じめの魚をのせた握りずしなど、今みなさんが食べているすしが登場します。こうしてすしは魚の漬物からご飯料理へと変遷してきました。ふなずしも少しずつ変化していますが、今のいろいろなすしのルーツだと言えるでしょう。
機能性成分では、まず生きた乳酸菌が摂取できるということで、整腸作用があります。さらに乳酸菌による発酵生成物には近年抗アレルギーなどのいろいろな成分が見出されています。栄養成分では、特にフナの骨の軟化によりカルシウムが吸収されやすい形となって含まれています。
ふなずしは「どうもあのにおいが苦手で…」と言う人も多いようですが、フナを丁寧に下処理し、塩漬け(滋賀では「塩切り」と言う)の後、程よい塩分と飯で飯漬けし、真夏に一気に発酵させたふなずしは、乳酸菌の作用によって、有機酸(主にヘキサン類)とアルコール(主にブタノール)、エステル(主にヘキサン酸エチル)が生成され、さわやかな芳香となります。
下処理の方法や、飯漬け時の塩や飯の量が適切でなかったり、発酵初期の気温が低かったりして十分に発酵していないとくさみの強いふなずしになってしまいます。
少しはふなずしについて理解できたでしょうか。
授業ではふなずしをはじめ、滋賀の郷土料理について作り方を学んだり、実際に試食したりしながら、その優れた点について理解を深めます。